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クリタケとキシメジ


午後にも今年一番の大型台風が襲来しそうな体育の日、ヤマセミの会(自然観察会)の皆さんと菖蒲高原を散策した。長野県栄村との境界となる峠まで車で上り、歩き下りながら動植物を観察するのである。

菖蒲高原のススキ原

この観察会は毎年恒例で、たいがいは双眼鏡やフィールドスコープを覗くよりも、山ブドウやサルナシやアケビなどを見つけて頬張ったり、キノコを探したりという内容となる。

参加表明のあったT坊さんが刻限に現れず、

「きのう飲み会があったみたいだから、寝てるんじゃないの」
「電話してみようか・・・トゥルルル・・・もしもし、T坊・・・え、寝てた?・・・うん、じゃあ先上がってるね」

二日酔い気味の参加者が多いのもこの会の特徴である。


「ヤブタケ採れるかなぁ」などと話しながら歩き始めた。ヤブタケはナラタケの別称である。あらゆる地域で親しまれているナラタケには名前が多く、上越界隈だけでもモグラ、アマンダレ、ズベリ、ズランボなどの別称がある。

菖蒲峠の馬頭観音

歩き始めて間もなく雨粒が当たり始めた。さらに山の谷間にさしかかると風が音を立て木々を揺すり始めた。ひとり先行して歩いていたら道端の腐木にキノコが出ていた。

菖蒲高原のクリタケ1

クリタケだ。「あんまり旨くないんだよね」との声。ヌメリのないナメコのようなキノコで、ナメコと比べてしまうと確かに味覚が一段劣る感はある。けれども料理次第だ。例えばクリームシチューに入れるとしたら、ナメコよりもクリタケのほうが良い気がする。鴨汁のような脂の強い汁でも然り。赤茶の色彩も良い。おろし和えにしてトロロ昆布でもまぶせばなかなかの一品になる。・・・収穫。


先行していた皆さんが斜面の上を見上げたり指差したりしている。

「ほら、キノコがいっぱい出ているんだけど、またクリタケかね。あそこじゃ登らんないしなぁ」と、先へ行ってしまった。

キノコは地面からまばらに出ていて、どうもクリタケとは違うようだ。確かめないわけにはいくまい。道を引き返して登れる箇所を探し、大きく迂回してポイントを目指した。登ってみて分かったが、すぐ上はさっき歩いてきた道路だった。道がつづら折りになっているのだ。

姿の良い、黄色いキノコが沢山出ていた。見覚えのあるキノコだ。

キシメジ自生

「何だったかな・・・キイロシメジだったかな・・・」

毒ではないはずだ。とりあえず収穫。

キシメジ収穫

「ほう、食べられそうなキノコだね」と一同。雨が強まり、それでも路傍の植物などを観察しながら歩いた。

紅葉の見頃にはまだ早いようであった。野生の果実はわずかに見かけたが、雨の中をつる草のやぶに分け入っていく人はなかった。山ブドウの小さな房を見つけて口にしてみた。爽やかな酸味に甘みもあって、思いのほか美味しかった。

山ブドウ

駐車場まで下り、反省会の後で、
「どなたかキノコ試してみられる方は?」
と訊ねてみたところ、皆やんわりと敬遠し、
「でも後で美味かった話を聞くのは悔しいなぁ」
などと笑いながらの解散となった。


三名が峠に置いてきた車を回収に向かった。自分はもう少しキノコ散策をしてみようと思いキヤンプ場に向かった。


この秋は周辺でクマの出没が相次いでいて、雨の降る無人のキャンプ場は、何となく薄気味が悪かった。またクリタケをみつけた。

菖蒲高原のクリタケ2

収穫している背後で「ガサッ、ガサガサッ」と物音がし、背筋が凍りつく。ゆっくりと後ろを振り返ると、大きなホウの枯れ葉が風に舞っていた。


自宅に戻り、黄色いキノコを図鑑で調べた。「キシメジ」というキノコであった。別称の「キンタケ」は母の口からよく聞く名前だ。何度か食べさせてもらったことがある。


収穫してきたキノコは一度茹でこぼしてから、おろし和えと豚汁にしてみた。キシメジは傘が滑らかで歯切れもよく、風味に癖のない美味しいキノコだった。

キシメジ昆布おろし和え

キシメジとクリタケのトン汁

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

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