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貝ヒモ(2013夏・青森へ)

(ブリコ項からの続き・・・)

青森市内で同窓会。

中学校の同窓生は2百余名。そのうちの60数名と恩師が集まった。変わらない人に、変わり過ぎて誰だかわからない人。でも少し話すとみんな昔のままのように見えてくるのが不思議だった。

担任だった先生が挨拶に立った。

「私が君たちを担当したのは27歳の時です。当時、市内で一番荒れていると言われていた中学校の講師を経て、新採用となって初めて受け持ったのが君達でした。初めて教室に入った時、YとKが机に腰掛けたまま席に着こうとせず、私はそのままYのところへ直行し、笑顔のままでYの金玉を掴み、席に付くように言いました。彼はそれでとりあえずは席に着き、Kも黙って席に着きました。さっきYに訊いてみたらよく憶えていないようでしたが、私はその時、この子達とならやっていけそうだなと、そう思いました・・・」

オドサマは残念ながらその名場面には居合わせていない。目を患い、中3の一学期は丸々入院生活を送り、学校へ復帰したのは夏休み明けだった。

翌日にはまた仙台までの長い運転が控えていたので、三次会は遠慮して同級生二人と〆のラーメンを啜りホテルに戻った。それでも午前様だった。

朝、ホテルの朝食をとり、コーヒーを飲みながら携行していた清水大典先生のキノコ本を開いてみた。青森へ来る途中の山形県小国町の道の駅で見かけた「オリミキ」というキノコの塩漬け。既知である「エセオリミキ」というキノコの「エセ」が、似ているけれども違うという意味で使われる言葉だったなと思い、だとすれば・・・と推測して索引を引いてみたら、案の定「ナラタケ」の別名として記載があった。さすが大典先生。疑問が解けてスッキリした。

開店早々の駅前市場へ向かった。母が言うには、並ばないと買えない売り切れ次第終了のスジコ店があるのだという。母はそちらへ向かった。

今晩は仙台の実家泊だ。普段は口にできない面白い食材を思うさま仕入れていって、料理を楽しむことが出来る。

「よ~し、買うぞ~!」

水を得た魚のような、そんな気分。まずは昨日ブリコを見つけておいたお店へ向かい味付けのものを購入。店主に「やっぱり秋田の方がらのものですか?」と伺ってみたところ、「なも(いいや)、これは北海道の漁師がら仕入れだモノだ。秋田のはまだ、採ればコレだ」と、両の手首をくっつけてみせた。

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青ツブ。先日テレビ番組で、北海道の釧路ではお酒の〆に必ずコレを食べる!とやっていて、それがとても美味しそうで、しばらく頭を離れなかった。本当に貝類が好きなのである。迷わず購入。

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ホヤ。「震災の影響で、ずうっと品薄でさぁ。養殖モノがながなが入ってこないの。コレは湾内の天然物だけど、潜って採るどごで、数が採れないのさぁ・・・」と、オバちゃんが説明してくれた。それならば多少高くても文句は言えない。潜り手に敬意を表してこれも購入。旬のホヤはどうしても食べておきたい。

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クジラ。これはオドサマの「見たら食べるリスト」の筆頭だ。牛にしろ馬にしろ、生肉を食べるのが好きなのは、多分子供の頃からクジラ食に親しんでいたからだろう。

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ホタテのアラ。「このミミっこ欲しいんですけど」と、忙しそうにしているお姉さんに声をかけると、「な~んも取ってないよー」と。要するに、貝柱以外の何でも入りだということ。それで結構ですと言うと、「せば(それなら)、300円」とのこと。そういえば、値段も聞かずに下さいと言っていた。・・・安い。青森の良心をかいまみる。(ミミっこ=青森では貝ヒモのことをミミと言う)

昼前に青森を発ち、岩手県内のサービスエリアで遅めの昼食。父も母も服薬の都合があるので、ある程度規則的に食事をとる必要がある。Uターンラッシュで混み合っていたが、名物のジャジャ麺を三人分注文してどうにか席についた。

ジャジャ麺はとても美味しかったけれど、父が食べるのに悪戦苦闘している。口のまわりの筋肉が緩んでしまっていて、麺をくわえても上手く口の中に送り込むことができない。麺がヨダレと一緒に皿に戻ってしまうのである。昨日冷やし中華を食べ残したのもこういう訳だったのか・・・と、父の食べ残しを平らげたことを激しく後悔した。でもあの場面はあれで仕方がなかったのだ。・・・親子とはいえ、知らずにいたかった。

父は結局ジャジャ麺をあきらめて、「かいねじゃ。かぁ、かねな?」(食べれない。どうだ、食べないか?)と皿を押し出してよこした。食えるか!!

空腹が満たされない父は、よその子供が食べているソフトクリームを見てアレが食べたいと母に言い、買ってもらって走り出した車の後部座席で食べ始めた。それを助手席の母が見ていて「あらら、わいは~」とか言うものだから、後ろで何が起こっているのか、運転しながら絶望的な気分になった。

奥州市に入ってからいよいよ車の流れが滞り始め、高速道路を降りて下道を走った。慣れない道ではあったけれど、どうにか夕方には仙台の家にたどり着くことができた。

郡山へ遊びに行っていた弟も戻っていて、慌ただしく晩酌の準備。ホヤを剥き、ホタテのアラからヒモを外す。

ホタテの貝ヒモは結構なヌメリがあり、塩でもみ洗いをしてヌメリを取るが、取り過ぎても風味が無くなって、つまらないものになってしまう。その加減がいいかげんなのだけれど、ひと手間かけた貝ヒモの味は、アワビの刺身にも引けをとらない。

ブリコ。口に放り込み「ゴリッ、ゴリッ」と噛むと、粒が弾けて美味しいお汁が口中に広がる。懐かしい風味に自然と頬が緩む。

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ホヤ。のどに来る独特な甘さと、濃厚な潮の香り。

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そして、貝ヒモ。そばどんぶりに七分目ほどの貝ヒモが採れた。本当にコレが300円で良いのだろうかと嬉しい感嘆が洩れる。

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いつまた帰れるかわからない故郷の味覚を心ゆくまで味わった。明日はまた上越までの運転だ。



テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

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