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干し柿



今年は果樹の実りが良かったらしく
我が家の柿の木もたわわに実を付けた。

渋柿なので食べるには一手間二手間かかるのだけれども
カラスの餌にしてしまうのはもったいないので
皮を剥いて紐に吊るしたり
ヘタを焼酎に浸けて袋詰めにしたり。

焼酎柿は渋が抜けると直に軟らかくなってしまうので
追われるようにしてせっせと食べた。
肝臓に良いらしいので飲兵衛にはありがたい。

その一方で干し柿は
日々少しずつ萎びて色が濃くなり透明感が出て
食べるのを楽しみにしていたのだけれど
焼酎柿を貪っているうちに青カビだらけになってしまった。

残念に思いネット等で調べてみたら
どうやら青カビは食べてもあまり害がないらしく
となればまた悪い虫が騒ぎだし
生体実験に臨んでみることにした。
とはいえブロンズ色の粉々に覆われた干し柿は
さすがにそのまま口に運ぶには抵抗感があり
サッと熱湯にくぐらせてみると
黒々とした干し柿が出来上がった。

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老紳士の陰嚢のようにも見え
始めは怖々口にしてみたのだけれど
カビ臭さなどはまったく無く
こめかみが痛くなるような甘さと
半乾きの干し柿のポタポタな食感は
作る人しか味わえない稀有な味覚だ。

味は良いのだけれど見た目が悪いので
ためしに表皮を剝いてみたら
透明感のある綺麗な果肉が現れた。

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色の濃いのはより乾燥の進んだもので
黒糖のようなコクがあって一段上の味わいがある。

しばらく干し柿造りに執心していたら
仕事で向き合うお年寄りの顔が干し柿に見えてきて
一人で可笑しがっている今日この頃です。


グミ



田植えを終えた田んぼが雑草だらけになってしまい、仕方がないので田んぼに入って草取りに励んでいる。

一回撒けばイネ以外の植物が消えて、そのうえ水生生物には影響が少ないという通称「一発剤」と言われる除草剤を使用したのだけれど、どうやら不発に終わってしまったようだ。たしかにドジョウやオタマジャクシは元気でいる。

除草剤を撒いてから一週間ほどの水の管理が大切らしく、今年こそはと気をつけていたのだけれど、草達はなにくわぬ顔で成長を続けている。

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去年もヒエがたくさん出て、稲穂より背の高いヒエがまばらに見える田んぼはいかにも不精な感じで、鎌を持ってヒエ刈りをしたのだけれど、伸びた稲叢にもぐるようにしてヒエを選別し刈り取る作業はかなり大変だった。

イネ科の植物は葉の縁に微細なギザギザがあって皮膚を傷つける。葉先が目に入って眼球を傷めたり、あとになってからの草取りはけっこう危険な作業であることを知った。

幼いイネとヒエはそっくりで見分けがつかず、古老に訊ねたら
「イネには毛がおえてるし、ヘェには毛がない」
と教えてもらった。

観察すると、なるほどイネには節の所にうっすらと毛が生えていて、ヒエにはそれがない。散々触っていたら手触りでも区別できるようになった。我ながら草取りが上手になってきた・・・と、悦んでいる場合ではないのだ。そろそろ膝と腰が限界だ。


田んぼの土手にグミの木があって、今年はいつになく沢山の実をつけている。草取りに疲れて脚も両手も泥だらけで畦を歩いていると、良い具合に口でパクリといけそうな高さに真っ赤な実が下がっていて一粒パクリ。渋くて酸っぱくて少しだけ甘い。

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子供の頃、よその家の庭にこの大粒なグミの木があって、垣根越しに羨望のまなざしをおくっていた。あの頃の自分がいまここにいたら、きっと歓喜してグミを頬張っているんだろうな・・・子供の頃は何を食べても今の数倍おいしかった気がする。

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せっかくなのでジャムを作ってみることにした。グミと砂糖を煮て濾しただけのジャム。渋みはまったく無くなって、いかにも疲れのとれそうなスッキリとした強い酸味と甘味が心地良い。

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食パンに塗ってチーズを乗せてトーストにしてみたら、香ばしさも加わってなかなかなの美味しさだった。

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彩りにカキドオシの葉を摘んできて載せてみたら、パクチーのような独特な風味が意外によく合った。


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ジャンル : 日記

米作り



採集民を標榜しながら
昨年から農耕に手を染めている。
義父が体調を崩し米作りを引き継いだのだ。

今年は2反の田んぼから
14俵の収穫があった。
30kgの紙袋に28袋分。

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コシヒカリは背が高くなりやすいらしく
昨年は稲が倒れてしまい刈り取りが大変だったので
今年は肥料の量を半分にしてみたのだけれど、
収量は去年と一緒だった。
1反当たり7俵というのは悪くはない数字らしい。

去年は農機械の使い方が解らず悪戦苦闘。
おまけに前年の使用後の掃除がなされていなかった機械は
ミノ虫のような糸引き虫があちこちにゴミを固めて付着させてあり
詰まりによる故障が頻発した。
何度も解体と組み直しを繰り返し、ようやく機械の働きが理解できた。
おかげで今年は機械のトラブルが少なかった。

家族6人で食べる米を去年は7俵確保してあったらしい。
他はみんな親戚に売ったり贈答用にするようだ。
新米が穫れたけれど、まだ去年の米が二袋残っているという。


「子供の頃は田んぼの手伝いが嫌でね。でも自分でするようになったら面白い」

複数の人がそんな風に話すのをたびたび耳にしてきた。
人から言いつけられてする仕事はつまらなくて、
自分で考えてする仕事は結果はどうあれ楽しいのだろうな
・・・という気がしていた。
だから自分もきっと楽しんで田んぼが出来ると思っていたのだけれど、
初心者ということでありがた迷惑な干渉が多く、辟易する。
自分なりに試みと検証の繰り返しを楽しみたいのだけれど・・・。

「失敗してみるためにやっているんです」

言葉にすればそんな感じだ。それが分かってもらえない。

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けれど、仕事で触れ合うお年寄りのほとんどは米作りをしてきた人達で、
牛馬を使った農耕も経験してきた、そんな大先輩方に
オドサマの失敗談はことのほか喜ばれる。
すべて見当のつくありがちな失敗らしく、

「あはは、そいがだ(そうなんだよ)」

と、自分の経験した類似の失敗を話してくれたりする。
そして対処法を教えてくれる。
そんな風に学ぶのは、楽しい。

籾摺り機の作業開始時と終了時には、
揺動板という選別方式の特徴として玄米に籾やゴミの混入が多い。
そんな一袋を試しに精米してみた。

その新米を子供達と行ったキャンプで炊いて食べた。
佃煮昆布入りの白飯おにぎりと、
頂きものの天然舞茸を使った炊き込みご飯を作った。
炊きたてご飯の普通な美味しさに、一安心した。


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花オクラ

仕事で伺ったお宅で、

「そうそう忘れないうちに…おまん(あなた)にやりたい物があったの…」と。

台所方面へ歩いて行かれ、大きな薄黄の花びらに醤油をまぶしたものを勧めて頂いた。

「これが花オクラ」
「あっ、先週話しておられた…、普通のオクラより花が大きいみたいですね」
「そう、花を食べる用のオクラなんだって」
「おっ、ヌメりますねぇ」
「そう、ヌメるでしょ、花びらも…」

ご近所に花オクラを植えてあるお宅があって、頂いたものだそうだ。

「よかったらおまん持って行く?」
「えっ、頂きものですよね…いいんですか」
「いいのいいの。いくらでも貰われるの。だーれも食べないんだって」

花オクラ

近所のお年寄りが岐阜の方から苗を調達して植えてみられたものらしい。
せっかくの面白い食材なのに、ご家族は食べないのだという。
確かに多くの人たちにとって花というのは、食べ物のカテゴリーに含まれるものではないかもしれない。

新潟にはカキノモトと呼ばれる食用菊がある。色は紫色である。
生産地はともかく、確かに一般家庭で利用されているかというと、どうなのだろう?
あまり出会った憶えがない。

郷里の青森にも食用菊があって、それはもっぱら黄色い菊である。
それだけをさっと湯がいて酢の物にしたりもするし、アミタケ(ヌメリ系キノコ)とトロロ昆布と唐辛子と菊の花を和えたお惣菜が市場に並んでいたりもする。
南部地方ではタラ汁にトッピングしたりもするそうだ。
花びらを板海苔のように干した物も売られている。

食べられる花というのは意外に多い。

思いつくものを挙げてみると、バラ科では桜や桃や上溝桜などの花は食用になるし、マメ科ではニセアカシアやクズ、フジの花なども食用になる。

菜の花や大根などアブラナ科の小さな花達も食べて問題ないし、ユリ科ではノカンゾウ、ヤブカンゾウ等、キク科では前出の栽培食用菊の他、野生種ではヒメジオンやハルジオンなども軟らかい花穂を食べる事ができる。

スミレの仲間も野生種から栽培種まで多くが食べられるし、その他種々のハーブ等、食べられる花は本当に多い。

そうしてみるといまこの国の多くの人は、流通に乗らない食材、つまりスーパーマーケットなどで手に入らない食材を食べ物として認知する機会がきわめて少なくなっているかもしれない。食の風俗が退化していくような気がしてちょっと寂しい。


花オクラの広い花びらの上に、青じそを混ぜた酢飯と、納豆と、梅肉を載せてみた。
包んでパクっとやってみようという魂胆である。

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花オクラ自体はほとんど癖もなく、ヌメリが面白い。
ヌメリ食材同士はたいがい相性が良いので納豆と合わせてみたけれど、
花オクラの意外なヌメリを楽しむには他の調理方法のほうが良かったかもしれない。
とは言え、こちらの料理もなかなか良かった。
妻子も美味しいと言って食べてくれた。

それにしてもこの地での暮らしは本当に頂き物が多い。
野菜の価格高騰など何処吹く風。
常々ありがたいことである。
ブログのタイトルも「頂きもの生活」にしようかな・・・。

テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

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