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さいの神

小正月の集落行事、「賽(さい)の神」

藁(わら)や萱(かや)を円錐形に積み上げて、正月飾りや書き初めなどを焚き上げる。

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書き初めが熱気に乗って高く舞い上がると、学業が成就する吉兆らしい。「寝正月」とか書いて舞い上がる所を見てみたい気がするけれど、オドサマのつたない字では面白味がない。

「賽」という字を国語辞典で調べてみたところ、「神仏に報いる」という意味があるらしい。

賽の神は何処の集落も同じような日に行うので、地元の者であれば普通は他集落のものに参加することはない。オドサマは村営住宅などを転々としたので、いくつかの集落の賽の神に参加させてもらったけれど、それぞれに作り方も色々だ。

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当集落のものは二十年ほど前に当時の子育て世代の人達が「子供に体験させたい」という思いから、戦後途絶えていたものを復活させたものらしい。

なぜ途絶えたままになっていたのかというと、戦後の不安定な時代を生きた先代方は、個々の利害を主張して喧嘩ばかりしていたそうで、そういうことに気が向かなかったようである。それに見切りをつけた若い世代が動いて再開された賽の神。継承がいったん切れてしまっているので、作り方は毎年まちまちだ。

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ここ数年、余った竹を切って御神酒用の猪口をつくるのがオドサマの仕事になっている。今年は近所に引っ越してきた若いオドサマが手伝ってくれた。彼がノコを使っていると、大工さんが話しかけてきた。

大工さん:「切れそうなノコだねぇ」
若オド:「腕がいいんですよ、腕が」
大工さん:「アハハ、それは違うな。挽き方が駄目だもの。ノコはね、端から端まで使って挽くもんだ」
若オド:「へぇ~」

ノコの柄を持つ手の位置でも判るらしい。素人は柄の中頃を持つけれども、職人は柄尻を持つ。

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「賽の神を盗む」ということがあったらしい。他集落のものにこっそり火を放ってしまうのである。

「昔はね、賽の神の下に人が入っていられる空間を作っておいてね、若いもんに一升あずけて見張り番をさせたりしたもんだ・・・」

不審の者が近づくとワァーと声を上げて走りだし、追い払うのである。中の番人が飲み過ぎて、居ながらに火を掛けられてしまうこともあったというから、かなり危険だ。大らかで可笑しみのある情景が思い浮かぶ。

賽の神を盗まれると、その集落では翌年から賽の神を行うことが出来なくなるのだという。実際、それでずっと行っていないという集落もある。

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夕闇が迫る頃、先端に火を点けた藁束を持った年男、年女が賽の神へ向かい、火を放つ。それを子供達に邪魔させる集落があるという。火を消すのが子供達の役目。雪でも放るのだろうか、喜々として走り回る子供達の姿が目に浮かぶ。火を持つ大人も、きっとわざと歩をゆるめて、子供達と戯れるのだろう。

 

テーマ : 写真日記
ジャンル : 日記

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

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