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陸奥湾ホタテ(2014初夏帰省)

(・・・イワナ釣り項からの続き)

青森へ帰省し、野内川で友人と2匹ずつの岩魚を釣った。
その後も川の上流へと道を辿りつつ入渓のポイントを探したが、やがて舗装も途切れ、川は樹木に覆われて水量も少なくなり、時刻も午後四時を過ぎたので竿は収めて、早朝には畑に向かう友人の両親との夕餉が遅くならないように道を急ぐことにした。

野内川から平内町清水川へ抜ける道は結構な標高のある山道だった。
所々にブナの林も見られ、原生林の面影がある。
フロントガラスの目前にヤマドリが飛び出してくる一幕もあった。
普段はまず見かけることのない、大柄で綺麗な鳥である。
長い尾羽根と目の周りの朱色が目を引く。

ヤマドリはキジの仲間。
山里では昔から狩猟の対象とされてきた鳥で、その羽根は弓矢や装身具の材料として重用されてきた。
肉もことのほか旨いらしい。
オドサマは食べたことはないけれど、上越の鉄砲撃ちの人達などは口を揃えて「ヤマドリはぁ旨んめわね」と言う。
山を歩いていると茂みの中から「ドゴドゴドゴッ」と段ボール箱を打ち鳴らすような音のすることがある。
ヤマドリの「羽打ち」という行動だそうだ。
縄張りを主張する示威行動なのか、雌を誘う求愛行動なのか・・・。
一人でキノコ採りをしていて茂みの物音に緊張して息を潜めていたら、3羽のヤマドリがゴニョゴニョ言いながら目の前を通り過ぎていったことがあった。

分水嶺を超えて山を下った所に、思いもよらず壮大な建物が現れた。
明らかに奇異な感じのする建築や構築物が一帯を占めている。
後で調べてみて分かったが、青森ではよく知られているという宗教団体の総本山であった。
友人と何の気なしに超えてきた山は、霊山として信仰の対象となっている山であったのだ。
確かに尾根を超えて目の前に広がった山々の風景は、神秘的で神妙な雰囲気があった。

夜越山でざぶりと温泉に浸かり、平内町ホタテセンターでホタテを買って帰宅した。
途中友人に母君から電話があり、洋食レストランを営む親戚から沢山の差し入れが届くので余計なものは買ってくるなという指令であった。

炭火を熾しホタテを焼く。貝の大きさの割に身が太っていて旨そうだ。

写真 3 (2)

ホタテには表裏があり、赤いほうが表で貝が浅く、白い側が裏で貝が深い。
なので始めに赤い側を下にして焼き、口が開くと身は天井の白い側に付いているので、それをひっくり返して焼き上げると美味しいお汁がこぼれにくい。
さらにゴムのような丁番が焼けた頃合に開いた貝を閉じるように押さえると、パカンと丁番が外れて蓋になり、むらなく熱を通すことが出来る。

ホタテセンターのお姉さんに「やっぱり黒いところは食べないほうが良いですか?」と訊いてみたところ、「貝毒は出ていませんけどね、まあ念のため・・・」ということだったので、丸ごと食べてしまった。

焼きホタテ用とは別に、「半成貝」と呼ばれる小ぶりなホタテも買ってきた。
以前、開高健氏の紀行文でニューヨークのオイスターバーの話しを読んだことがあった。
その店ではカキばかりでなくハマグリも生のままレモンを絞って食すのだという。
その話を読んで居ても立ってもいられなくなったオドサマは近所のスーパーへ走り中国産のハマグリを買ってきて恐る恐る試してみたのである。でもそれは硫黄臭いような砂泥臭があり美味しくはなかった。
そんな経験があって、以前ホタテの半成貝を見かけたとき、生ガキのようにチュルリと食べてみようと思いつき、試してみたのである。それが素晴らしく旨かった。陸奥湾の海そのものの味である。
それを友人にも味わってみてほしかったのだ。

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ご両親は朝3時頃には起きるそうなので、友人宅では程々に飲み、歩いて10分程の所にあるという居酒屋へ向かった。

(この項さらにつづく・・・)

テーマ : 趣味と日記
ジャンル : 趣味・実用

貝ヒモ(2013夏・青森へ)

(ブリコ項からの続き・・・)

青森市内で同窓会。

中学校の同窓生は2百余名。そのうちの60数名と恩師が集まった。変わらない人に、変わり過ぎて誰だかわからない人。でも少し話すとみんな昔のままのように見えてくるのが不思議だった。

担任だった先生が挨拶に立った。

「私が君たちを担当したのは27歳の時です。当時、市内で一番荒れていると言われていた中学校の講師を経て、新採用となって初めて受け持ったのが君達でした。初めて教室に入った時、YとKが机に腰掛けたまま席に着こうとせず、私はそのままYのところへ直行し、笑顔のままでYの金玉を掴み、席に付くように言いました。彼はそれでとりあえずは席に着き、Kも黙って席に着きました。さっきYに訊いてみたらよく憶えていないようでしたが、私はその時、この子達とならやっていけそうだなと、そう思いました・・・」

オドサマは残念ながらその名場面には居合わせていない。目を患い、中3の一学期は丸々入院生活を送り、学校へ復帰したのは夏休み明けだった。

翌日にはまた仙台までの長い運転が控えていたので、三次会は遠慮して同級生二人と〆のラーメンを啜りホテルに戻った。それでも午前様だった。

朝、ホテルの朝食をとり、コーヒーを飲みながら携行していた清水大典先生のキノコ本を開いてみた。青森へ来る途中の山形県小国町の道の駅で見かけた「オリミキ」というキノコの塩漬け。既知である「エセオリミキ」というキノコの「エセ」が、似ているけれども違うという意味で使われる言葉だったなと思い、だとすれば・・・と推測して索引を引いてみたら、案の定「ナラタケ」の別名として記載があった。さすが大典先生。疑問が解けてスッキリした。

開店早々の駅前市場へ向かった。母が言うには、並ばないと買えない売り切れ次第終了のスジコ店があるのだという。母はそちらへ向かった。

今晩は仙台の実家泊だ。普段は口にできない面白い食材を思うさま仕入れていって、料理を楽しむことが出来る。

「よ~し、買うぞ~!」

水を得た魚のような、そんな気分。まずは昨日ブリコを見つけておいたお店へ向かい味付けのものを購入。店主に「やっぱり秋田の方がらのものですか?」と伺ってみたところ、「なも(いいや)、これは北海道の漁師がら仕入れだモノだ。秋田のはまだ、採ればコレだ」と、両の手首をくっつけてみせた。

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青ツブ。先日テレビ番組で、北海道の釧路ではお酒の〆に必ずコレを食べる!とやっていて、それがとても美味しそうで、しばらく頭を離れなかった。本当に貝類が好きなのである。迷わず購入。

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ホヤ。「震災の影響で、ずうっと品薄でさぁ。養殖モノがながなが入ってこないの。コレは湾内の天然物だけど、潜って採るどごで、数が採れないのさぁ・・・」と、オバちゃんが説明してくれた。それならば多少高くても文句は言えない。潜り手に敬意を表してこれも購入。旬のホヤはどうしても食べておきたい。

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クジラ。これはオドサマの「見たら食べるリスト」の筆頭だ。牛にしろ馬にしろ、生肉を食べるのが好きなのは、多分子供の頃からクジラ食に親しんでいたからだろう。

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ホタテのアラ。「このミミっこ欲しいんですけど」と、忙しそうにしているお姉さんに声をかけると、「な~んも取ってないよー」と。要するに、貝柱以外の何でも入りだということ。それで結構ですと言うと、「せば(それなら)、300円」とのこと。そういえば、値段も聞かずに下さいと言っていた。・・・安い。青森の良心をかいまみる。(ミミっこ=青森では貝ヒモのことをミミと言う)

昼前に青森を発ち、岩手県内のサービスエリアで遅めの昼食。父も母も服薬の都合があるので、ある程度規則的に食事をとる必要がある。Uターンラッシュで混み合っていたが、名物のジャジャ麺を三人分注文してどうにか席についた。

ジャジャ麺はとても美味しかったけれど、父が食べるのに悪戦苦闘している。口のまわりの筋肉が緩んでしまっていて、麺をくわえても上手く口の中に送り込むことができない。麺がヨダレと一緒に皿に戻ってしまうのである。昨日冷やし中華を食べ残したのもこういう訳だったのか・・・と、父の食べ残しを平らげたことを激しく後悔した。でもあの場面はあれで仕方がなかったのだ。・・・親子とはいえ、知らずにいたかった。

父は結局ジャジャ麺をあきらめて、「かいねじゃ。かぁ、かねな?」(食べれない。どうだ、食べないか?)と皿を押し出してよこした。食えるか!!

空腹が満たされない父は、よその子供が食べているソフトクリームを見てアレが食べたいと母に言い、買ってもらって走り出した車の後部座席で食べ始めた。それを助手席の母が見ていて「あらら、わいは~」とか言うものだから、後ろで何が起こっているのか、運転しながら絶望的な気分になった。

奥州市に入ってからいよいよ車の流れが滞り始め、高速道路を降りて下道を走った。慣れない道ではあったけれど、どうにか夕方には仙台の家にたどり着くことができた。

郡山へ遊びに行っていた弟も戻っていて、慌ただしく晩酌の準備。ホヤを剥き、ホタテのアラからヒモを外す。

ホタテの貝ヒモは結構なヌメリがあり、塩でもみ洗いをしてヌメリを取るが、取り過ぎても風味が無くなって、つまらないものになってしまう。その加減がいいかげんなのだけれど、ひと手間かけた貝ヒモの味は、アワビの刺身にも引けをとらない。

ブリコ。口に放り込み「ゴリッ、ゴリッ」と噛むと、粒が弾けて美味しいお汁が口中に広がる。懐かしい風味に自然と頬が緩む。

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ホヤ。のどに来る独特な甘さと、濃厚な潮の香り。

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そして、貝ヒモ。そばどんぶりに七分目ほどの貝ヒモが採れた。本当にコレが300円で良いのだろうかと嬉しい感嘆が洩れる。

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いつまた帰れるかわからない故郷の味覚を心ゆくまで味わった。明日はまた上越までの運転だ。



テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

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