FC2ブログ

ドジョウ

(・・・焼きウド項からの続き)

友人夫妻と昨夜遅くまで飲んでいたのだけれど、どうにか起きだして昨夕仕掛けておいたカゴ仕掛けを引き上げに行った。

「あっ、なんか入ってる!!」と妻君。

カゴの一つにはアブラハヤとドジョウが入っていて、もう一つは残念ながら空っぽだった。

ドジョウは全てシマドジョウのようで、普通食用にされているのはマドジョウである。

シマドジョウは流水に、マドジョウは沼や用水池に多いようだけれど、この辺りでドジョウ汁などをご馳走になると区別せず混ぜこぜで食されていて、生息場所も重複があるようである。

ドジョウは夜の反省会のために確保しておき、アブラハヤは放免した。


それから妻君は昨夜の残り熾で焚き火をこしらえて飯盒炊爨に挑んだ。

焚き火一つにもやってみなければ解らない気付きがある。

なんといっても今回は取材のために訪れたのであって、仕事の面でもきちんと収穫がなければいけないのである。

普段から玄米食をしているということで、今回も玄米を持参。飯盒で玄米は難しいかに思われたけれど、以外にも焦げもなく上手に炊きあがり、昼食に美味しく頂いた。

玄米の外皮がプチリと破ける食感が面白く、自然とよく噛むので米の旨味もよく分かる。

おそらく焦げがなかったのもこの外皮のおかげで、糊が出にくいためだろうということで意見が一致し、玄米は飯盒炊爨に向いているという結論を得た。


この日大きな問題が発生した。水が尽きたのだ。

オドサマの隠れ家は水道が通っておらず、山の斜面に掘られた土砂崩れ防止の水抜き井戸から水を引かせてもらっている。

その水がこのところの雨不足で涸れてしまったのだ。

水質がいまいちなので、普段から飲食用には近隣の銘水を汲み置いているのだけれど、その飲食用水の蓄えでトイレの急場もしのがなければいけない。

夕べは蛇口から赤ワインを注いで楽しんでいたのに、今日は台所の蛇口をひねってもカラコロと虚しい音が漏れ出てくるだけの事態に陥っている。にわかに緊迫した空気が漂いはじめた。

もともと腹が弱くて一年中腹巻きが手放せない夫君が、バケツに一杯の水を都合して「わりな(申し訳ない)」とトイレにこもる。他の者は「無事に事が成就しますように」と祈るのである。

「どんだった(どうだった)」
「うん、ながいだ(流れた)」


午後からは少し標高のある山へ向かった。まだ残雪があり、雪解けの山菜が狙えるのである。

道路は思い描いていたポイントの大分手前で閉鎖されていた。

でも歩いて行けなくはない・・・でもまだ二日酔いがちょっと・・・という雰囲気で、少し登った残雪の沢でコゴミ、ハンゴンソウ、ウバユリ、トリアシショウマ、フキノトウなどを採集し、道々けっこう太いウドがあったりヤマブドウの芽を摘んだりもして、短い時間で意外に良い収穫があった。

DSC_0630.jpg


車を止めておいたすぐ近くに清水ががゴンゴンと出ていて、用意してきた容器に水を汲んだ。

地元ではよく知られた銘水で、「ゴンゴン清水」と呼ばれている。

本当にしみじみと水が有難い。

18リットルのポリ容器に4つ、焼酎の取っ手付きペットボトル複数個、その他細かいペットボトルにも汲んだ。

これで明日まではどうにかなるだろう。


場所を移してネマガリタケ(山タケノコ)の気配を探したけれども、この日は残念ながら出会えなかった。

いつもなにやかやと反省会の開始が遅くなってしまうので早めに帰って支度をしようということで、麓の温泉に浸かり帰路についた。

温泉はほぼ貸切状態で、塩分の強いお湯の中で仰向けになると体がぷかりと浮いた。ひょっとして潜望鏡が出ているのではと思い確認してみようとするのだけれど、頭を持ち上げると腰が沈み、結局潜望鏡は確認できなかった。


この日の反省会は山菜づくし。

ハンゴンソウはキク科の山菜で春菊のような強い香りがあり、胡麻和えが好評だった。

カセットコンロに油を張った小さめな鍋をのせ、テーブルの上で天ぷらを揚げながら飲んだ。

DSC_0631.jpg

ヤマブドウの新芽は白い綿毛に覆われた幼い葉が鮮やかなピンク色で縁どられていて可愛らしい。食べては酸味があり、天ぷらネタとして面白い。

その他、コゴミやウバユリも揚げて食べた。

そして最後に今朝の収穫のシマドジョウである。

DSC_0633.jpg

日本酒をまぶして〆てから粉をまぶし油に投入するが、蘇生して油の中をしばし泳ぐものもある。

こうした殺生が閻魔様に知れたらオドサマはきっと地獄へやられるなと思う。

せめてもの罪滅ぼしに、「ウマイウマイ」と唱えながら残さず食べるのである。まぁ、実際に旨いのだ。

低めの温度でじっくり揚げると口触りのわるい中骨も邪魔にならなくなる。

チョイチョイと塩をつけて食べるとじつにビールに合う。

DSC_0634.jpg


身近な自然から食べ物が得られることの喜び。

他の生き物の命を頂いて生きている実感。


最終日は午前に上越市内の温泉「門前の湯」に浸かり、朝昼を兼ねたラーメンを啜り、そして友人夫妻は「来月また来る」と言い残して南東の国へと帰って行った。


テーマ : アウトドア
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
ブロとも一覧
最新トラックバック
オドサマの本棚
Share Vision
サイトアフィリエイト無料テキスト進呈中!
月別アーカイブ
ランキング応援お願いします!
↓↓↓

FC2Blog Ranking

日本ブログ村ランキングも参加中!
RSSリンクの表示
QRコード
QR