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モクズ蟹麺類

仕事の途中で「青空市場」へ立ち寄った。
現在の上越市大島区、旧で言うと東頸城郡大島村にある、道の駅のような産直店である。
何の用事かというと、大きな声では言えないけれど小用である(また下ネタか・・・)。
駐車場の片隅にあるトイレはまさに砂漠のオアシスというか、
人目のある道端で用を足せない小心者には、二礼二拍手して踏み入るべきありがたい施設なのである。
事前に手を水で清めるのは、濡れた手で窓口周辺をかまうとあらぬ誤解を招くのでやむをえず省略している。

しかしながら、清掃等の維持管理の手間を思えばトイレだけ拝借というのは心苦しくもあり、時にはお店にも立ち寄らせてもらう。
なかなかに四季折々の面白い品物が取り揃えられているのである。

この日は数個の漬物樽の中にモクズ蟹がウゴウゴしていた。
この辺りでは10月頃が盛期なので、年を越したこの時期としては珍しいと思う。
山で育ち、繁殖のために海を目指して数十キロの川旅をした蟹が、河口付近で捕まって連れ戻されてきたのである。
思えば何か駆け落ちの悲恋物語をも連想させる不憫な状況なのだけれど、条件反射のように思わず「下さい」と言ってしまった。
体格の大きなオス蟹も良いけれど、甲羅の中にオレンジ色の内子を宿したメス蟹はことのほか美味な上、オドサマは甲羅以外ほぼ殻ごと食べてしまう都合上、殻の柔らかめな小柄のメス蟹だけを5匹所望した。1匹200円と値段も手頃。
と、そこで飯田店長の男気がでた。

「こっちも持ってきなよ」

なんと、値段の高い大きなメス蟹2匹をおまけに付けてくれるという。カッコ良すぎる・・・目玉とおまけが逆転してしまった。

そんなこんなでオシッコのつもりが蟹を購入してしまい、都合7匹のメス蟹を車に乗せて次の営業に向かった。

DSC_0299.jpg

夕方、蟹を茹でた。
車の後部座席の箱の中でガサモサとうごめいている音を聴いていただけなのに、すでに何となく情が移ってしまっている。
「車で連れ回した上、殺害に及んだ・・・」
極悪非道なフレーズが頭をよぎる。

その晩、近所のオドサマが打った蕎麦を食べる会が催された。
丁度良かったなと思い、皆に食べてもらおうとモクズ蟹シスターズを持参したものの、「川のものはちょっと・・・」という手合いが多くやや興醒め。
余ったものを持ち帰り、自分のお楽しみに取っておいた。

翌日の昼に、モクズ蟹でラーメンを作った。

DSC_0317.jpg

赤い色が引き立つだろうと塩仕立てにしてみた。
ラーメンに蟹なんて邪魔くさいだろうと、日頃はそのようなメニューを見かけてもまず注文することはない。
でもこうして作ってみるとけっこう美味しい。
透明なスープに蟹のオレンジ色の脂が浮いて、見た目も食欲をそそる。

DSC_0319.jpg

そして更に翌日はモクズ蟹スパゲッティ。

DSC_0321_20140222223727358.jpg

調理中から身悶えするような美味しい匂いが漂い、昼寝の妻が目を醒まして半分ほどを横取りされた。
何となく雌ライオンに似ているなと思うことがよくある。

DSC_0324.jpg

でもまあ、自分の工夫した料理をウマイウマイと食べてもらうのは嬉しいもの。
おなか以外の部分も満たされました。

テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

モクズガニ(2012春・帰省)

〈先回イワナ項の続き〉

さて、そろそろ青森へ向かわねば。

けど腹へったな・・・。

おおむね500キロを夜駆けしてきて

青森・秋田県境の八森町の清流で早朝から寄り道していた。

時間を忘れて遊んでいるときは空腹も忘れていて、

気がつくと猛烈に腹がへっている。



海岸の公園で磯を眺めながら、

夜中に買ってあったオニギリを食べた。

波打ち際にちょっと大きめなカニが動いているが目に入って、

「やれやれ・・・」と岩を下りていって押さえ込んだ。

モクズガニ(八森町 H24.05.19)


モクズガニ♂。片方の腕が無い。

雌雄は腹のところにある「はかま」の形で見分ける。

オスは三角、メスは丸くなっているのだけれど、

彼等にも中間型がいる。

やはりオスのほうが体格がよく、毛深い。

食べられる運命を知ってか知らずか片腕で∨サインをしている。

目と目が合い、少し不憫になって、

「お前も大変だな」と、放免した。

片腕では、なかなか餌にありつくのも大変だろう。

痩せガニを殺生しても仕様がない。

・・・もしオニギリを持っていなかったら、

もうちょっと非情な行動に出ていた気もする(笑)



県境を越える手前、

道の駅のような施設の前を通り過ぎたとき

「ブリコあります」

という看板が目についたけれど、

まだ開店していなかったので、そのまま通り過ぎた。

ブリコか、懐かしいな。

オドサマにとっては思い出深い食べ物、バサマ(婆様)の味。

子供の頃は本当によく食べた。

でも、ここ30年・・・それ以上か?

口にしていない。

ブリコは、海岸に産み落とされたハタハタの卵塊。

バサマはこれを焼干しと昆布でダシを取った醤油汁に浸して

上手に味付けしていたと、後に母から聞いた。

卵塊を口に放り込み、「ゴリッ、ゴリッ」と噛み潰して、

卵の中の汁を吸う。

噛みごたえが面白く味も良いので、

ついついあごがくたびれるまで食べてしまう。

梱包材のプチプチ潰しに似た喜びがある。

卵膜はゴム状で硬いので、

散々噛んでスカスカになったら吐き出すのだけれど、

ここで念入りな人はスポンジ状になった卵塊の中に

潰れていない粒を認めて再度シャクシャクと噛み直したりもする。



平成になる以前だろう。

ハタハタの不漁が続き、

資源保護のためにハタハタも、その仔のブリコも、

禁漁となった。

その甲斐あってか、近年この八森の海にもハタハタが戻ってきたようだ。

今度来るときは必ず入手して、

バサマの味を再現してみたい。


〈ヤマメ項へ、さらに続く・・・〉

テーマ : アウトドア
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

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