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戻しワラビのポン酢浸し

 
 越後東頸城のお茶飲み文化のようなものはどこから派生しているのだろう。

他で経験したことが無かったオドサマなどは、はじめは随分とまどった。

何かの用事でお宅に伺うと、なんとなく手際よくお茶を勧めていただくのだけれど、

縁起が良くないのか失礼に当たるのか、「一杯茶は良くない」とどんどん注がれ、

お茶菓子が並び、漬物が並び、山菜の手料理が並ぶ。

「甘いもの食べると、しょっ辛いのが食べたくなる」と言い、

「しょっ辛いの食べると、甘いものが食べたくなる」とも言い、

甘いものと塩辛いものを交互に食べながらお茶をすする。

かなり飲まされ食べさせられ、勧め方が熟練しているだけに、

上手く遠慮するのにも熟練が必要なほどである。

そんな場面で出して頂いた一品。


干しワラビのポン酢浸し


 この地もまた出稼ぎオヤジのお故郷である。雪国の試練を背負っている。

こちらのお宅のオド様は、冬期間、大阪へフグ調理人として出稼ぎに行っておられた。

夏場は農業と茅葺き職人の兼業である。

農家でフグ調理人で茅葺き職人・・・どれもなまくらには務まらない技能職だ。

このあたりではそれが普通のことらしい。なんという逞しさだろう。

どの仕事も忙しかったし、ずいぶん良い稼ぎになったという。


「10月から4月まで、一年の半分は留守なの。

嫁に来て、こんしょ(この人)の親と暮らして・・・

今の人は考えられないでしょ」と、奥様が笑う。

でもそれが夫婦円満の秘訣なのかなと思ったりもする。

遠く離れて、お互いのことを心配しあっていたのだろう。

そんな記憶が、今を繋いでいるのかもしれない。


取り寄せた大阪のフグ料理屋さんのポン酢に、戻した干しワラビを浸したそうである。

彩りに人参の千切りが入っている。

美味い。大体、ポン酢がオドサマのような東北人の知っているものとは別物だ。

濃厚な柑橘の香りがワラビによく合う。コリカリヌルネバ。

関西ではネバネバ食品は好まれないというけれど、

ワラビはどうなのだろう?


ポン酢は大阪の「だいまさ」というお店のものらしい。

でも、お父さんに、お世話になっていたお店は?と伺ったところ、

「すしはん」と答えられた。

脳卒中で一時は認知が危うくなっていたけれど、

今はだいぶ回復されている。



テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

干しズイキと胡桃の炒め煮

 当地(新潟県東頸城)はお茶飲みが盛んで、

仕事が一段落すると、ご近所に声をかけて

お茶を飲みながら世間話に興じる。

お手製の料理を持ち寄って、ほめたりほめられたりしながら

作り方を教えあう。

家の前の通りを誰かが通ったら、

つかまえてお茶飲みをしようと網を張っている向きもある。

ご飯のおかずのような料理や、

赤飯、おこわのようなご飯そのものもお茶のあてにして

かなりしっかり食べるのだけれど

村内放送のスピーカーからお昼や夕方の時を告げる音楽が流れると

「ご飯にしなきゃ」と引き上げていくのである。

みんな、たくましい。


 オドサマもちょくちょくお茶を頂く機会がある。

保存食材などを上手に使った料理などには

本当に感心させられる。

干しズイキと胡桃の炒め煮

 写真は干しズイキ(芋茎)と胡桃を合わせて炒め煮にしたもの。

ズイキはサトイモの仲間で茎が赤い。

ちなみにサトイモの茎は緑色である。

芋の食感は、ズイキのほうが粘りが控えめでほっくりとしている。

この赤い茎の皮をむき、湯掻いて酢の物にしたり

干して保存したりする。

酒粕を入れた味噌汁にしても美味しい。

胡桃は山に自生しているものを拾ってくる。

殻が硬くて、割るのは大変だけれど、

カラカラと炒っていると尖端が若干ひらいてくるので、

そこに包丁を入れるとスパンと割れる。

この地に来て初めて知った方法である。

子供の頃、この胡桃を割るのに

父のカナヅチや丸石を使って悪戦苦闘した憶えがある。

昨夜、孫娘さんに手伝ってもらって胡桃を穿ったのだそうだ。

微笑ましい場面が目に浮かぶようである。

ズイキの軽いシャキシャキ感に、時々胡桃の濃厚な味がからんできて

絶妙の組み合わせである。うん、美味い。

テーマ : 料理
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

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