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十一月の最後の土曜日



十一月の最後の土曜日が久しぶりにお天気だったので、午後から裏の山を歩いてみた。すっかり落葉して見通しのきくようになった森を歩くのは気持ちがいい。でも、少し緊張感もある。

先日、地域の会合後の懇親会で同席した初対面の方に、「きのうクマの目撃情報がありましたね」とクマのことを話題にしてみたところ、「ええ、それ私です」と、おもむろにブリーフケースから引き延ばされた写真を取り出して見せてくれた。写っていたのは果たして舗装道路を歩くクマの姿だった。


去年ヒラタケの出ていた倒木に向かってみる。その倒木の傍らのナラの木の根元は洞になっていて、中には乾いた枯葉が敷き詰められていた。きっと何かの動物が住み着いているのだ。その近くにはムキタケの出ていた木もあった。

ユキツバキを掻き分けながら斜面を登っていると、積もった枯れ葉がめくれて黒い土の出ている、人が足を滑らせたような跡があった。「ああ、先を越されちゃったかな」と思いながら意中の倒木に近づいてみると、そこにヒラタケの姿は無かった。

けれども出ていたものが採集されたようでもなく、そもそも今年は発生していない様子だった。そして少し落胆してふと横に目を移して「・・・」
そこにはキノコ採りが夢想してやまない光景があった。

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ナメコの群生。市販されているような粒状のものも良いけれど、若干傘の開いた加減のものはまた違った味わいがある。ちょうど採りごろ。

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ナメコを採り終えて、去年ムキタケの出ていた倒木を探してみたけれど何故か見つからず、ウロウロしていたら地面にナメコのようなキノコが出ているのを見つけた。

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この時期は地面に出るキノコは少なくなって、立ち枯れた木や倒木に出るキノコがおもな獲物となるのでそちらにばかり目が向くのだけれど、降雪期まで発生する地上性キノコもあるにはある。しかもこのキノコ、チャナメツムタケはかなり美味しい。なかなか出会えないキノコでもある。

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傘の表面にはヌメリがありナメコに似るけれど、やや大きめで肉質が緻密、ナメコとちがって柄にはヌメリがない。ナメコに続いて思いがけない収穫だった。


ムキタケの木は諦めて、そこから少し車で移動してさらに心当たりの場所へ。森に踏み込んですぐに前方から人の話し声が聞こえた気がして耳を澄ます。向かおうとした場所では以前にナメコとヒラタケを採集しているのだけれど、去年は他者の採集あとだったので、もしかしたら先行者が入っているのかもしれない。迂回してその先の別の場所へ行こうかと杉林帯との境界に沿って歩いていたら、ヒラタケの出ている倒木を見つけた。

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さらに進んでここ数年毎年収穫のあるお目当てのナラの枯れ木でもヒラタケを採集。

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最後に先ほど人の気配のあった場所へ立ち寄ってみたけれど、一本の枯れ木にナメコの古い採集痕があっただけで、今しがたまでそこに人がいたような様子は無かった・・・。

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採ってきたキノコは、まずはメギスのすり身を入れた味噌汁にしてどんぶりで味わった。チャナメツムタケのツルリとして厚みのある食感はやはり格別だった。

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それから、たくさん採れたヒラタケをどうして食べたら良いものかと考えて、牛スジと里芋と一緒に煮込んで山形の芋煮風なものにしてみた。

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ヒラタケのやや独特な菌臭が牛肉の風味に隠れ、さらにはスジ肉から溶け出したゼラチンがヒラタケの食感をさらにプリプリにして、この芋煮は普段ヒラタケを好まない妻も旨い旨いと言って食べた。残ったキノコはすべて瓶詰めにした。

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始めに見かけた人が足を滑らせたような跡は、人間のものではなかったのかもしれない。もし人の足跡ならすぐ先にあったあのナメコの群生を見過ごしはしないだろう。そして、その後に聞いた話し声も実際の人のものではなかったかもしれない。一人で山の中を歩いていると、ふと我に返ったように「怖さ」を感じて心細くなることがある。きっと、そんな疑心暗鬼が聞かせた声だったのかもしれない。


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テーマ : 趣味と日記
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

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