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ゼンマイ

 山菜といえばコレというぐらい土地の人達が争って採集する山菜、

ゼンマイ自生

ゼンマイ。昔は高値で取り引きされ、

山里で暮らす人々の貴重な収入源であったという。

今はもう食生活の変化から需要も希薄になってきているし、

売ったところで、一体いくらになるものだろう。

でも、買えば高い。乾燥品で1kgが1万2千円ぐらい。

乾いたものはきわめて軽いし、重さなど無いようなものだ。

いったいどれだけを乾燥させて1kgになるのだろう?


それでもこの地ではまだ、

慶弔の席には欠かせないご馳走として需要がある。

お正月の雑煮にもかならず入る。

採るのも干すのも戻すのも手間がかかるけれど、

その手間が、ご馳走なのだと思う。

老齢の先輩方は、今もこの山の恵みを大切に利用している。

ちなみに茹でただけのものは、苦くてまずい。


東京にくらしていた頃、

いまから18年程も前になるだろうか。

上野から輪行袋を担いで信越線に乗り、黒姫駅で降りた。

ゴールデンウィークだったと思う。

自転車を組み立てて、その日は野尻湖でテント泊。

標高の高い所から低い所へ走ろうという怠けた計画の一人旅。

糸魚川まで走った。


途中、大きな橋の上からはるか下の渓流を見て竿を出してみたくなった。

何も釣れなかったけれど太いゼンマイが目に入り、それを摘んだ。

摘んではみたものの、2、3本のゼンマイをどうしてみようもなく、

山菜採りをしていた頬被りのご婦人に貰ってくれと差し出したところ、

「男ゼンマイだね。これは採らないんだよ」と笑われた。

八甲田の裾野で育った子供の頃から身近な山菜だったけれど、

そういえば利用した記憶がない。

ゼンマイに男と女があることは知らなかった。


男ゼンマイ

男ゼンマイと

女ゼンマイ

女ゼンマイ。


ちょっと綿毛をめくらせてもらった。違いがわかるだろうか。

たしかに男と女の雰囲気がある。

綿毛のめくれぐあいだろうか、女ゼンマイが色っぽくみえる。

しかし、ゼンマイに異性の色気を感じているようでは、

オドサマもいよいよである。


口の悪いお父さんたちは、男ゼンマイをキンタマゼンマイなどと言う。

なるほど、男児の陰嚢に似ている。確かにこんなだった憶えがある。

でも今はもうちがった感じにになっているんだろうな。

今度よく観察してみよう。


要するに、陰嚢っぽいのが男ゼンマイで、それ以外が女ゼンマイ。

昔の人は、こういう俗な例えをすることが多いなぁと思う。

おかげでオドサマも、見分けがつくようになった。


男ゼンマイは胞子を飛ばすための胞子葉、

女ゼンマイは光合成をするための栄養葉。

なので、繁殖のための胞子葉は採らないということなのかな?

でも栄養葉も少しは残さなけば、株が痩せてしまうのではとも思う。


山のアジトのまわりに姿がみえはじめたので、

いつもは手を出さないのだけれど、

今年は一掴みを頂いた。

栄養葉も株ごとに2本ずつ残した。

ゼンマイ収穫

綿毛と展開していない葉の部分を取り除き、

熱湯にさっと潜らせると鮮やかな緑色になる。

茹で過ぎると、とろけてしまう。

調理の時にも火を通すので、ここは本当にサッと茹でるだけ。

摘まれてもまだ生きているゼンマイに、止メをさしてやるのである。

それをせずに放っておくと、折口からどんどん固くなってしまう。

美味しく頂くための下ごしらえは、自然の恵みに対しての敬意だ。


茹でたものを、天日に当てて干す。

ゼンマイ干し

しんなりと半乾きになったら、一掴みをくるくると丸めるようにして揉む。

この揉み加減が、味を左右するらしい。

ちなみにオドサマの揉み加減は「いいかげん」である。

ピンピンと棒状に干し上げたゼンマイはすぐに折れてしまう。

くしゃくしゃに干し上げれば折れにくい。

その点だけでも揉んで干すのは理にかなっている。


空模様を気にして入れたり出したり、

乾き具合をみて揉んだり拡げたり、

ご近所さんを呼びつけてお茶を飲んだり、

ゼンマイ干しは、昔はともかく、今はおばあちゃんの仕事である。

ゼンマイを触っていれば、呆けたりしないんだろうな。


ゼンマイ干し上がり

軽く一掴みみのゼンマイが、ひとつまみの干しゼンマイになった。

古老に尋ねると、一年は置かないと美味しくならないという。

そう言われると、へそ曲がりのオドサマはすぐに戻して食べてみたくなる。

料理は追ってご紹介したい。

テーマ : アウトドア
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

オドサマ

Author:オドサマ
郷里の津軽地方ではナイスミドルをオドサマと呼びます。まだそれほどの年齢でもないのですが、故郷への親愛をこめてハンドルネームとしています。現在は新潟県東頸城在住です。古代、東北は採集民の楽土であったといいます。その血統によるものか、自然の中で食材の採集を楽しみ、調理を楽しみ、食べることを楽しむことで、日々心身が満たされています。そんな喜びをブログを通して多くの方にお伝えできればと思っています。

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